バッタの食べ物は草だけ?肉食の見分け方から代用エサまで徹底解説
原っぱや公園で捕まえたバッタを飼育ケースに入れたものの、「キャベツを入れても全く食べない」「翌朝見たら仲間をかじって共食いしていた」といったトラブルに頭を抱えるケースは後を絶ちません。実は一口に「バッタ」と呼んでも、種類によって好む植物の種類は大きく異なり、中には肉食や雑食の性質を色濃く持つ個体も存在します。
安易に「そのへんの草や野菜を入れておけば大丈夫」と思い込んでいると、栄養失調や農薬中毒、共食いによってあっという間に命を落としかねません。この記事では、代表的なバッタの好物から家にある野菜でのエサ代用テクニック、絶対に与えてはいけないNG食材、そして共食いを防ぐプロ直伝の飼育ノウハウまで余すところなく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:バッタは完全な草食だけでなく雑食・肉食タイプも存在し、触角の長さやアゴの形状で見分けることができる。
- 要点2:トノサマバッタはイネ科、オンブバッタは広葉植物を好み、身近なエノコログサ(猫じゃらし)は万能の主食になる。
- 要点3:キャベツなどの代用野菜を与える際は残留農薬と水分過多に細心の注意を払い、ネギ類や毒性のある野菜は絶対に避ける。
【衝撃】バッタの食べ物は草だけじゃない?肉食・雑食と草食の見分け方
野原で見かける緑色や茶色の細長い昆虫をすべて「草食のバッタ」だと判断するのは非常に危険です。外見がよく似ているキリギリスやコロギス、クダマキモドキなどの仲間は、植物だけでなく他の昆虫を捕食する肉食・雑食の性質を持っています。
草食のバッタと肉食・雑食のキリギリス類を見分ける最大のポイントは「触角の長さ」です。バッタの触角は短く、自分の体長を超えることはまずありません。一方、キリギリスやコロギスの触角は非常に細長く、自分の体長よりも長く伸びています。
さらに「アゴの力と脚のトゲ」にも明確な違いが現れます。肉食傾向の強い種は獲物を逃さないよう前脚に鋭いトゲが並び、獲物の硬い皮膚を噛み砕く頑丈な大アゴを備えています。キリギリスの仲間に草だけを与えていると急速に弱ってしまうため、ミルワームや小さく刻んだ煮干し、市販の昆虫用ゼリーといった動物性タンパク質の補給が欠かせません。
【種類別】トノサマバッタ・ショウリョウバッタの好物と食べる草の種類
純粋な草食性のバッタであっても、種類ごとに「主食とする植物の葉」にはっきりとした偏りがあります。捕まえた個体の種類に合わせて適切な草を用意することが長期飼育の絶対条件です。
トノサマバッタやクルマバッタは、細長く硬い「イネ科の植物」を主食としています。野原に自生しているススキ、オヒシバ、エノコログサ(猫じゃらし)、チガヤなどを好んでバリバリと音を立てて食べます。幅の広い柔らかい葉っぱを入れてもほとんど口をつけないため、必ずイネ科の葉を調達してください。
日本最大の体長を誇るショウリョウバッタもイネ科をメインに食べますが、庭先やプランターによく現れる小型のオンブバッタは食性が大きく異なります。オンブバッタはシソ科、キク科、ナス科、アオイ科などの広葉植物を好むため、庭のシソの葉、タンポポ、クローバー、キクの葉などを好んで食べます。
採取場所に迷った際は、道端や空き地に自生しているエノコログサが最も確実です。除草剤の心配がない安全な場所で採取したエノコログサは、トノサマバッタからショウリョウバッタまで幅広い種が喜んで食べる万能のエサになります。
【代用エサ】家にある野菜や果物は食べる?キャベツをあげる注意点
野原へ草を採りに行けないときは、冷蔵庫にある野菜や果物を代用エサとして活用できます。手に入りやすい代用食材としては以下が挙げられます。
- キャベツ・レタス・小松菜・チンゲンサイ:水分とビタミンを補給できる定番の葉野菜
- きゅうり・ニンジン:薄くスライスすることでかじりやすい水分源になる
- りんご・梨:微細な糖分と水分を含み、嗜好性が高い
ただし、家庭用の野菜をバッタに与える際には「残留農薬」と「水分過多」という2つの致命的な落とし穴が存在します。
人間には無害な微量の残留農薬であっても、体の小さなバッタにとっては即死レベルの毒物です。スーパーで購入した野菜を与える場合は、流水で徹底的に洗浄するか、できる限り無農薬・有機栽培の野菜を選んでください。
また、キャベツやレタスなどの水分の多い野菜ばかりを過剰に与えると、フンが液状化して飼育ケース内が蒸れ、不衛生な環境から病気が発生しやすくなります。野菜を与える際は表面の水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取り、食べ残しは翌日には必ず取り除く衛生管理を徹底しましょう。
【要注意】バッタが食べない・与えてはいけない危険な野菜一覧
「草食だから野菜なら何でも食べるだろう」という安易な思い込みは、愛育するバッタを中毒死させる原因になります。中には昆虫にとって強い毒性を持つ野菜や、見向きもしない食材が存在します。
- ネギ類(長ネギ・玉ねぎ・ニラ・ニンニク・らっきょう):アリルプロピルジスルファイドなどの刺激成分が昆虫の消化器官に深刻なダメージを与え、確実に命を奪います。
- ナス科のヘタや葉(トマトのヘタ・ジャガイモの芽):天然毒素であるソラニンやトマチンが含まれており、強い毒性を示します。
- アボカド:ペルシンという成分が多くの小動物や昆虫に対して毒として作用します。
- 香りの強すぎるハーブ類(ミント・ローズマリーなど):昆虫忌避作用を持つ精油成分が含まれているため、エサとして認識せず忌避します。
これらは飼育ケース内に入れること自体が危険を招くため、絶対に持ち込まないように注意してください。
【飼育の極意】バッタの共食い防止対策と命を守る正しい水分補給
飼育下で最もショッキングな事故が「共食い」です。普段は穏やかに草を食んでいるバッタでも、条件が揃うと容赦なく隣の個体を襲い始めます。共食いが発生する主な引き金は「エサ切れ」「動物性タンパク質の不足」「脱皮中の無防備な状態」の3点です。
バッタは非常に代謝が高く、常に何かを口にしている生き物です。数時間でもエサを切らすと、生き残るために最も手近な水分・栄養源である仲間の触角や脚、羽をかじり始めます。これを防ぐには、常に新鮮な草をケース内に絶やさないことが基本です。
さらに、過密飼育を避け、週に1〜2回程度「かつお節」「細かく砕いた煮干し」「金魚のエサ」を小皿に少量置いてタンパク質を補給させると、共食いの発生率を劇的に抑えられます。
水分補給にも注意が必要です。霧吹きで飼育ケース内に直接水を吹きかけると、水滴がバッタの腹部にある呼吸器官(気門)を塞ぎ、溺死する事故が頻発します。水分補給は、濡らした脱脂綿やティッシュを小さなペットボトルのフタに乗せて設置するか、水洗いした草の水滴を軽く払った程度で与える方法が最も安全です。
【成長段階別】バッタの幼虫の食べ物まとめと飼育ケースの環境作り
初夏に孵化したばかりの小さなバッタの幼虫は、成虫と同じエサを与えてもうまく食べられずに衰弱してしまいます。幼虫はアゴの筋力が未発達なため、硬く筋張ったススキの葉を噛み切ることができません。
幼虫を飼育する際は、「エノコログサの柔らかい新芽」「ハコベ」「タンポポの若葉」「クローバー」など、薄くてみずみずしい葉を選んで与えるのが育成のコツです。また、キャベツの葉を与える場合も、硬い芯の部分は避け、葉先の最も柔らかい部分を小さくちぎって与えてください。
幼虫期は頻繁に脱皮を繰り返します。脱皮の際には草の茎やネットに逆さまにぶら下がる足場が必要になるため、ケース内に立てかけられる小枝や鉢底ネットを必ず設置してください。足場が滑って落下すると脱皮不全を起こし、命を落とす致命傷になります。
【バッタの食べ物】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:公園や道端で草を採取する際、絶対に避けるべき場所はありますか?
A1:道路沿いや駐車場周辺は排気ガスや油分が付着しているため避けてください。また、きれいに整備された花壇や管理された緑地は定期的に除草剤や殺虫剤が散布されている可能性が高いため極めて危険です。人の手があまり入っていない空き地や河川敷で、青々と健康に育っている草を選びましょう。
Q2:かつお節や煮干しなどの動物性エサは、どれくらいの頻度で与えるべきですか?
A2:草食性のバッタであれば、3〜4日に1回、ひとつまみ程度を小皿に乗せて与えるだけで十分です。放置すると湿気でカビが生え、飼育環境を悪化させる原因になるため、半日〜1日経過して残っているものは速やかに処分してください。
Q3:冬場に草が枯れて手に入らないときは、どうやってエサを確保すればいいですか?
A3:無農薬の小松菜やチンゲンサイ、キャベツなどの葉野菜をローテーションしながら与えるのが有効です。また、園芸店やペットショップで販売されている「猫草(燕麦の新芽)」を購入して鉢ごと飼育ケースに入れると、新鮮なイネ科の生草を常に安全に供給できます。
まとめ:バッタの食性を正しく見極めて健康に育てよう
バッタの飼育を成功させる秘訣は、「バッタ=草食」という大雑把な固定観念を捨て、その個体が求める正確なエサを提供することに尽きます。イネ科を好むのか広葉植物を好むのかを見極め、新鮮な草を欠かさずセットすることが健康維持の第一歩です。
家庭にある野菜を活用する際は残留農薬と水分管理に十分配慮し、かつお節などを適度に併用して共食いを未然に防ぎましょう。適切な食環境さえ整えれば、目の前で豪快に葉をかじる姿やダイナミックな脱皮の瞬間など、自然界の驚きに満ちた生態をじっくりと観察できます。 (出典: バッタ の 食べ物(Yahoo!ニュース))